DDD 2 (講談社BOX)

DDD 2 (講談社BOX)



野球の話なんだけど野球の話じゃない。

「っ……!し、信じられない、カッターとかスクリューとか、いちいちカッコ良すぎじゃないか!ね、バッターは?バッターにはギロチンとかチェインソーとか、そういう打法はないの?」 「…それがなあ。残念ながら教科書に載るような体系付けられた打法はないんだよ、これが。個人個人の打法のあだ名はあるけど、それは必殺技って感じじゃねえし。いいよなピッチャーは。スクリュー使いとかザ・カッターとか素手呼ばれるんだぜ?どこの改造人間だっての」


でもピッチャーはピッチャーでアナウンサーに毒舌吐かれたりで大変なんですよお二人さん。あとSVSのルールはまんまワンナウツやなこれ。


救いがないDDDの悪魔憑きの中でも個人的には最も救われない「シンカー」だったんですけど、いかんせん長すぎる。もろにオマケの「day dream」はアレでいいとして、フォマルハウトにもう少しページ割いても良かった気が…。ところで芝刈り機は笑うところでいいんすよね、アレ。設定的には中々強いはずなのに出遭った敵がどいつもコイツも化け物だったばかりに自信を喪失しながらも生きながらえていく明里には好感を覚えるので、この先もひっそりと登場して欲しい。


日守秋星について。SVSで使われた「ずっと俺のターン」もそうだけど、はっちゃけてると言うか、芸風を無理に広げようとしていると言うか。いやキャラ的には好きなんすけどね。ただ能力が本人の性格と相反してるような。常にトップギアにすることによって性能が上の相手のギアがかかる前に肉薄して叩き伏せるハズが、本人に油断が過ぎてて、目を見ろと言われて目を見たり、相手のギアが入るまで待ってたり(まぁこれはアテが外れてたからだけど)、不意打ちとは言え車が近づく音にも気付かずブチ当てられたり、最悪の状態から受身を取るより最悪の状態に陥らないように努力したほうがいいと思いまス。そのヌけてるあたりが魅力っちゃあ魅力なんでしょうけど。電車でミンチになったとかの話はフォロー入るのかしら。


妹さんの話に関しては…。妹さんのネーミングセンスに突っ込み入れるあたり自虐的だなァ、と。唯一ツボったのは「時間とか止められても」の一文。能力系バトル漫画において最強候補にあたる時間・空間系の技を「とか」扱いですよ。多分時間止めるだけ止めて倒す手段が思いつかなかったんだろうなあ。グルドみたいだ。岩とかに隠れられても。


そしてSVS。友人同士の約束とすれ違いとか色々あるんですけど、まとめると「好きなこと(趣味)を仕事にすると後々辛くなるよ」というお話。

「打たれれば殺される。打たなければ殺される。よかったね。君たちにとって一番大好きなものは、君たちの命そのものになったんだ。つまり、負ければ生きる価値がない」


イヤだなあ。コワイコワイ。