light 『Dies irae 〜Acta est Fabula〜』 ショートストーリー、サントラ情報公開&WEBラジオ『lightstation Happy light Cafe』第29回配信


まあそりゃ玲愛ルートだよね。って、なんか一人だけ遺影みたいな扱いなんですけど・・・。




以下キャラ雑感。氷室玲愛。








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ヒロインその4。黒円卓第六位、ゾーネンキント。その役割は八つのスワスチカをもってラインハルトを復活させる際に必要な五色の一、緑化であり、儀式の過程でその命を落とすことになる、早い話が生贄。性質上、ラインハルトが完全復活するマリィルートでは死亡、香純ルートでは神父と心中と、螢と同じくファーブラが出るまでは既存ルートでは死亡確定という扱いだった。生まれ持った役目からして悲壮さでいえばヒロインの中でも郡を抜いているのだが、最後が割りと清々しい・・・というか、満ち足りた逝き方のお陰で、あまり非業キャラという印象は強くないかも。本当の非業キャラとは香純のようなキャラのことを言うんスわ。


前評判が高かったキャラなのに攻略できない+死亡確定という憂き目にあった分、ファーブラの担当ルートにかかる期待は大きく、結果、グランドルートと呼ばれるディエス・イレの結末を飾るに相応しいシナリオとなった。のだが、本人がそこまで輝いていたかと言うと・・・。九章、つまり入城直前あたりまでは見せ場が多いものの、十章以降はバトルに次ぐバトルの連続で、影が薄くなりがち。地獄めぐりのシーンも、続いて登場する神父の活躍がまぶし過ぎる。むしろ地獄に関しては、マリィルートの死ね死ね合唱のほうがキツかったのでは・・・。脱出後は脱出後で、因縁の白騎士対決、蓮と司狼の殴り合い、ラストは蚊帳の外と、イマイチ目立たず。しかしまぁ、劇中で言われたように、黒円卓の同士討ち、事の発端となったのは誰だったのかと言われれば間違いなく先輩であり、裏から操るのが大好きな連中を見事に思惑通りに動かしたという点で、見事にシナリオの核たる役割を果たした、と言えなくもなくも。


一つ残念なのは、あれだけ他ルートで「スワスチカが完成すれば死ぬ」という属性を強調されておきながら、本人のルートではその方程式を覆す経緯がなぁなぁというか、「え、そんなでいいんだ?」という結末に落ち着いたことか。


性格は不思議系クールとでも言うか。自らの運命を「どうせ何をやっても死ぬんだから」と投げ捨てており、無感情・無表情に徹しようとしているのだが、心の内ではしっかりと喜怒哀楽が機能している為、そこから吐き出される言葉と表情のバランスが釣り合わず、蓮からはちょっと電波入ってる等と言われてたりする。何故生きることを投げていた彼女が蓮に行為を持ったのかは、一応作中で語られはするのだが(人付き合いを避けて屋上を自分の場所としていた先輩と、同じく人付き合いを避けて屋上に来た蓮)、肝心の馴れ初めの様子は回想シーンの一つも入りゃしないので、この人も好感度MAX組の一人。この馴れ初めの不自然さに関してはリザからも、ラインハルトの血を引く先輩と、メルクリウスの代替である蓮が、獣と水星が惹かれあうのにつられているのではないか・・・と示唆されたことも。なんか神父と変な部分でシンクロしちゃってんなあ。が、まあ、ラインハルトとメルクリウスの関係は、蓮の場合司狼がそれにあたるので、先輩は安心して下さい。それに馴れ初めはドラマCDで改めて語られるのだろう。


とはいえ生まれる前からお互い関係があったことには違いなく、同じ血を引く香純や、あてがわれたマリィと同じく、お膳立ては揃っていたがゆえの好感度MAX組なのかも知れない。してみると螢の存在だけが異端であり、無限に繰り返す永劫回帰の中でも蓮と螢がくっ付くことは非常の稀らしく、メルクリウスすら「既知でもなく未知でもない、いわば中間、白紙の状態だ」と発言していた。既知でもなく未知でもないって何だよ。結末は同じだけど違う選択肢を選んだおかげで既読スキップが一時的にストップした、みたいな状態なんだろうか・・・。


個人的に好みの部類のキャラクターではあるものの、いまいちノりきれなかったような・・・。なんでだろう。やっぱりヒロインの存在が霞むほど、バトル担当キャラが濃すぎる連中ばかりだからか・・・。特に先輩ルートは黒円卓の面々が本領発揮し過ぎだし。そもそもバトル伝奇にバトらないヒロインは(略)。


余談。白本だと螢(ついでにマリィ)とは性格的に相性が悪いとされている。成る程。確かに螢ルートでは先輩が空気、先輩ルートでは螢は途中退場と、仲が悪いといえなくもない。全員一緒にいるときは目立たないが、二人きりだと会話が弾まない組み合わせ、というヤツだろうか・・・。そういう意味では全員と仲が良いK(香純さんは)Y(やっぱり)S(凄いや)!はからずしもKYになっちゃうあたりさらにKYS!