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トリックスターズ (電撃文庫)

ミステリにファンタジーを掛け合わせたエセ推理小説。昔夢想してたＳＲＰＧと格ゲーを融合させたら面白いんじゃね？的な発想*1。でも面白い。

６人の現存する魔術師とか、佐杏冴奈の性格とか、空の境界を思い起こさせる部分が多々あれど（あっちも各話毎に新本格的要素を含んでるし）、オチでハサミ男になってしまいました。あれで主人公が本当にアレなら真実ハサミ男だったのに。

トリックについては、まあ、元々推理モノでもロクに推理しないで読み進めるんで、「わかるわけねー」で終わりはしたものの、トリックそのものについては割りとフェアな気がする。けど（主にヒントの出し方が）フェアなのとトリックの難易度に関しては比例しないと思うので、やっぱりわかるわけねー。楽しみ方としてはトリック云々より、京極・ひぐらし的な「超常なのか？非超常なのか？」を予想する部分が肝だと思う。

で、この話のウリとして「魔学は他のどんな学問よりもリアルかつロジカルである」という設定が根底にあるんですけど、魔術は万能ではなくこれくらいのことしか出来ないよ、と作中で語っておいて。ラストのアレは…どう？アカシックレコードに干渉して目標を消滅…。いや、ハッタリの利かせ方としてはアリなのはわかってんだけど。うーん。

まあ結構面白かったんで２巻以降も買います。登場人物女ばっかなのにあざとさをあまり感じさせない話は貴重だ。キャラが薄い。まあそうとも言うね。

*1:近年ソウルキャリバー３において実現された。夢想のままで良かったと思える