3巻



1巻はアレス、2巻はアレスに加え、敵方の指導者であるジェレイドとミーアにも視点が移された。そして3巻ではアレスとジェレイド、二人の英雄が遂に直接対峙する。ジェレイドは自分の身分を反乱軍改め解放軍に武器を提供する商人と偽り、アレスの剣術の師を通して会合の場を設け、直接言葉を交わす―




ジ「私は解放軍に武器を提供している商人なのです」
ア「ナンだと!ブッコロす!」
師「落ち着けアレス!」
ジ「まあ落ち着いてここは1つ、解放軍の成り立ちを語らせて下さい。私を斬るかどうかはその後でご判断を・・・」
ア「いいだろう。聞いてやる」



ジ「というわけで反乱にはそうした経緯があったわけでして」
ア「なるほど・・・それは確かにやむをえない・・・」
ジ「そうでしょうとも!是非アレス卿には我々の味方になって頂きたい」
ア「やぶさかではないが・・・」
ジ「そして私の正体は実は解放軍の指導者ジェレイドなのです。隠していて申し訳ない」
ア「元凶め!ブチ殺す!」
師「落ち着けアレス!」




なんだこのキチガイは・・・。ジェレイド率いる村人の戦いっぷりはいかにも発足仕立ての寡兵戦法っぽくて好きです。SRPGで言うと勝利条件「規定ターン内に一定数以上の敵ユニットを指定された地形に引き込め」みたいな。敵が馬鹿すぎる気もしますが。SRPGにおいて一番好きなのが「Xターン以上防衛」系のマップなので、そう考えると2巻のトゥールスレン攻防戦も・・・サウスマウンドトップみたいでよろしいんじゃないでしょうか。俺なら要塞に引き篭もって、ミーアに最上部から風魔法打ち下ろさせて戦線崩壊させた後司令部に突っ込むけど。


あとアレス君は交渉の席で解放軍に降伏を望み、自分が国王に取り成してどうにかしてみせると語るわけですけど、古今東西のフィクションでその類の発言(兵達の命は保証する)が実現したケースは皆無であり、つくづくアレスくんはSRPGの主人公体質なのだなあと再認識。降伏した敵を上官のとこまで連れてったら嬲り殺しにされて「何故ッ。彼らにもはや戦闘の意思は・・・」とかほざくあの役割です。


ただこのセオリーからいくと今回は破談したものの結局解放軍にアレスが加わる流れになりそうで、出来ればそれだけはご遠慮願いたい。二人の英雄が敵味方に別れて存在するから面白いのであって、結束して勝敗が見えきった戦記モノほどつまらないものはないからです(ゲームの場合はシステム上仕方ないので除外。プレイヤー=采配者である場合「どうクリアするか」の過程が面白いのであって結果はどうでもよろしい。その場合プレイ内容によってEDが変化する伝説のオウガバトル形式が望ましい。主人公に人格が存在し、裏方や局地戦ばかりに回されて戦争の勝敗には関われないゲームの場合、中盤以降敵組織が邪神復活系の宗教組織になるのがネック)。ただ4巻への繋ぎを見る限りこのままだとアレスは暗殺されるかトップに立つかの2択っぽいので、「ファヴノールが望めば王位を与えよ」という設定からトップに立ち、内乱に乗じて攻め込んだ北のレアニールに対して解放軍と協力して対処する、あたりが落としどころか。もしくは解放軍は敗北しつつ王国の制度に変革をもたらすオチとか。どちらにせよアレスは兎も角ジェレイドが生き残ってそうにないなあ・・・。