シリアル回避の方法とか知らねーっつってんだろ、と書いたらさらにシリアル関係の検索アクセスが増えてしまった。アッホかー。


先日の続き。玲愛ルート十一章〜ラスト。








カズィクル・ベイことヴィルヘルム・エーレンブルグとラインハルトの対面から始まる十一章では、奪われ続けた男が本懐を遂げる、ヴィルヘルムのヴィルヘルムによるヴィルヘルムのためのお話。一応先輩がHシーンとかあるちゃあるものの、ごめん、とっととヴィルヘルムvsシュライバーが見たいからホイール高速回転ですっ飛ばしたわ。確かにお話的にはラスボスの居城から脱出して一息という、ココで入れなきゃもう後にも先にも隙間がないってタイミングなんで、先輩が悪いわけではないのだが・・・。でも先輩との濡れ場のあとにヴィルヘルムとラインハルトの会話が挟まされて、そのままシュライバー戦に直行なら兎も角、むしろ挟んであるのが先輩じゃしょうがなかろう。割と自信を持って言えるけど、07、もしくはクンフトからのユーザーの7割はここのシーン、スキップはなくとも流し読み程度に済ませたんじゃねえのかなあ。


司狼がメルクリウスから既知感の正体とその役割・存在意義を明かされる部分は、聞けば聞くほどかつての「お前は自分が主役のつもりだろうが、俺にとっちゃ人生俺が主役だ」って司狼の台詞が皮肉に感じられてキツイ。ここに限らず先輩ルートのメルクリウスは、他ルートの傍観気取りからおおっぴらな介入者へと変貌していて、マリィルートの潔さに騙されてたけど、全ての元凶はやっぱコイツだよなと再認識・・・するのは兎も角、この状況だと司狼がヴィルヘルムの闘いに余計な茶々入れて消化不良にしやしないかと気が気じゃなかったが、まぁああいう介入方法なら、アリちゃアリかな・・・。


メインたるヴィルヘルムvsシュライバーは、ドラマCDの初対面時の会話再現から始まり、本気シュライバーによるフルボッコタイムを経て、ヴィルヘルムの「この程度で・・・俺がこいつ以下などと、どいつもこいつもほざいてやがったのかァァッ!の啖呵から始まる創造の流れには、シュライバー専用BGM「Einherjar Albedo」から、ヴィルヘルムの「Rozen Vamp」に切り替わるタイミングも含めて全てが神。他ルートではイマイチな結果に終わった死森の薔薇騎士が本領を発揮するこの展開はどうよ、もう。バトルのオチとしては、一発当てて勝利したと思えば普通に再生して復活したシュライバーが生き残ったものの、哄笑と共に業を乗り越えたことに満足して生涯を終えたヴィルヘルムが本当に嬉しそうだったんで良し。シュライバーの強さの株を下げることなく、ヴィルヘルムの株は大幅上昇。しかしシュライバーのチートっぶりはねえ・・・。格ゲーに例えるなら全キャラ中No1のスピードで、ダメージを受けても即座に再生、火力も充分、ゲージは常にMAX。アーク格ゲーの金キャラにいそうなチートぶりですね。




十二章は蓮と司狼の殴り合いに終始。基本どんな時でも飄々とし、声を張り上げるときも何処か酔漢の態だった司狼が常にマジギレといった様で、それに応える蓮もプッツンで河原の殴り合いモード。結果的に司狼が自らスワスチカを開くことになったけど、聖遺物を使っての殺し合いで蓮が司狼を斬り捨てる結果にならなかったのは良かった。ヒロインと親友を天秤にかけて、やむをえないとはいえ親友のほうを切り捨てるのはちょっと勘弁なんで。司狼が言うように、蓮の「代替案も出さずに駄々をこねる」様には多少イラついたものの、性格を考えればブレちゃいないし。でもエリー・・・はともかく、香純もアレで終わりなのね。まぁ司狼の思惑的にも「俺の中で生きてるぜ」発言とかはダウトか。




最終決戦となる十三章は、前哨戦たる大隊長から。能力的にも完全復活を遂げた三騎士が蓮を圧倒するあたりは、他ルートで充分に強さを知っているんで、ですよねーっつーか。あんだけ異次元の闘いをしておきながら「足場が階段だから空を飛べない蓮は不利だ」(ジャンプしての空中戦は出来るがそれだとシュライバーの餌食に)という今更な指摘には笑うとこだろうか。この次元で足場がどうとか、そういえば空飛べないんだっけとか。ギロチンウィングは飾りかよ!


三騎士の同時創造から始まるバトルで際立つのは、やっぱりザミエルの格好良さ。シュライバーがバトル中は奇声オンリーだとか、マキナは口数が少ないだとかで、台詞面で唯一まともに喋ってくれるって面もあるけど、なんつーか、ザミエル・・・エレオノーレって、この場である意味一番異質なんだよな。理性を失くし狂うことで強くなったシュライバーとも、数万を越えるエインフェリア・バトルロワイヤルin城の生き残りで、その全てが凝縮されているマキナ、メルクリウスによって聖遺物を最も扱える聖遺物という属性を与えられた蓮とも違って、狂信とは言え、普通に生まれて普通に生きて、なんのトンデモ設定もない人のハズなのに、この化物バトルの中で主導権握れる強さなワケで。この普通さは聖遺物が武器具現型――つまりはバランス型であることからも窺えるにも関わらず、極めたバランス型には隙がないという作中の表現そのまんまのお人ですな。


決着の際には、蓮・マリィの覚醒が直接的な原因ではあるにせよ、三騎士全員が十章でそれぞれ絡んだトリファ、リザ、ルサルカの行動が決定打になるという燃え展開。この中で一番震えたのは、十章の絡みが云々以前に実際にナハツェーラーが出てきたルサルカだけど、安心したのはトリファ。いやぁ良かった良かった。こういうオチがなければトリファの行動ってシュライバーを壊すどころかむしろ覚醒させて強くしただけだもんな。


その後はラインハルトとのラストバトル・・・になるかと思えば、蓮は弾かれてメルクリウスvsラインハルトの宇宙規模の戦いに移行。なんぞこれ。口調が変わって超新星爆発とか適当極まるバカ技を次々と繰り出すメルクリウスに対して、城に取り込んだ騎士団メンバー総出演で対抗するラインハルト。


「魅せろ――我が愛し児らよ!その渇望を叩き返してやるがいい!案ずるな、私は負けん!


「卿が屑星と断じた私の爪牙だ。ああ、確かに敵の弱体化など好まんがね。彼らの物語と渇望は、かくも凄烈に美しい。哂わせなど、せんよ


どこの英雄だよこの人。ベアトリスやカイン、果てには「英雄たる資格なし」と、爪牙どころか髪の一本にすら認められず吸収された螢までいるし。そして出番も台詞もないシュピーネさん。一応「全騎士団入場ッッ!」なCGに映ってはいるのにね・・・。


この「強い敵が欲しいなら同格の味方とやればいいじゃん」という、同士討ち展開の最高潮ともいえるトップ二人の激突。最後の最後、蓮と先輩の出番はあるにせよ、主役はここに来て完璧にメルクリウスとラインハルト。突き詰めていえばこの先輩ルート、聖槍十三騎士団ルートというべきなのかも。先輩・・・氷室玲愛もゾーネンキントとして数えれば間違いはないはず。さらに翻れば、最終ルートのオチがオチだけに、ディエス・イレというお話自体が、メルクリウスが本懐を遂げるお話ですらあったのかも。この世の全てを知りたい、知ったからつまらない、未知がほしい、死の間際で諦めきれずに回帰発動。く、クソ迷惑な野郎だ・・・。問題はラインハルトの脳裏に浮かんだマリィルートのCGだけど、これはつまりマリィルートの後も結局メルクリウスが死の間際に諦めきれずに流出でマリィのルールを上書きして回帰したってことなんだろうか。


そしてED・・・ってあれ?スタッフロールの後のエピローグがない・・・。正式EDならエピローグがあるはずだから、どっかで選択肢ミスったか?やっぱり八章の「ルサルカを信じる」の所為だろうか・・・。つーか螢はなにを当然のようにあのメンバーの中に入り込んでんだよ!いやマリィルートとか螢ルートなら兎も角、先輩ルートじゃアナタ敵のまま退場して、一切日常メンバーに溶け込む描写ありませんでしたよね。・・・まあ居るのと居ないのじゃそりゃ居るほうがいいんだけど。兄貴も生きてるんだろうし、扱いとは裏腹にEDとしては一番螢にとって幸せなパターンなのかも。




エピローグありのトゥルーEDは後日見るとして、遂にディエス・イレも完結ですわ。中二万歳。十三騎士団という、普通に扱えばどうしてもキャラが立たない脇キャラがいくらか出てくる人数を、よくもここまで全員が全員、魅力的なキャラに仕立て上げたくれたもの。この、漫画やアニメで実現するにはグダグダの長期連載・放送にならざるをえない問題を、ゲームという、ルート分岐で解決できる媒体の利点を見事に利用して解決した事実ッ。え、シュピーネさん?いやほらシュピーネさんには一番残念な人っていう逆オンリーワンなキャラ位置があるじゃないですか・・・うん・・・。


客観的にみれば、螢・先輩ルート共に、ドラマCDのモルゲンを聴かなきゃいまいち分かり辛い部分があるんで、ファンディスクとかなら兎も角、一本のゲームとして発売時期が分割で間が空いてるとはいえ、ドラマCD前提の描写はどうなんだ、と思わんでもないけど、俺は聴いてたからオッケー。ヒロインの影がいまいち薄かったり、主人公が最後蚊帳の外に置かれたりとかは、前者はジャンルが「恋愛」ではない、後者は主役は騎士団でしたってことで・・・。それ以外は燃えゲーとして満点。クリアしたのでやっと白本も読めるぜうおーって、螢とルサルカ弱っ。




・追記


最優秀戦闘賞=ラインハルトvsメルクリウス
ヴィルヘルムvsシュライバーや蓮vs司狼も捨てがたいけどやっぱコレ。マリィルートのラストバトルとやってるこた同じものの、演出と愛が違うね、愛が。


最優秀章=十章
バトル単品なら上記の十三章の獣vsニートだけど、章単位だと色々詰め込みまくりな十章。


最優秀男優賞=ヴォルフガング・シュライバー
ラインハルト、メルクリウス、ヴィルヘルム、トリファ、司狼と、先輩ルートで株をあげた人らは多々いて難しい、が、やっぱり白騎士。


最優秀女優賞=ルサルカ・シュヴェーゲリン
一択。


笑わせてくれたで賞=ロート・シュピーネ
( ・ω・)