先輩こと氷室玲愛ルート、十章まで。








マリィルートをやり直し終え、どうせならと香純もやり直し(こっちはほぼスキッププレイだけど)、ついに先輩ルート突入。直後(第七章)のルサルカに吹く。ダレだよコレ!きれいなルサルカかよ。七章そのものはマリィルートの大筋と大差ないものの、最後の最後でトリファが先輩を解放するところで未知に震えた。そして螢ルートより一足早く、続く八章からマリィルートと展開がズレ始める。八章タワー前の選択肢はルサルカを選んだが、ヤーな予感がすンなこれ。ルサルカEDがどうしても見れなかったのは、そもそも07版のあのタイミングで発生するものではなく・・・?まあいいや。それならそれで。展望台でのシーンは、今頃ヴィルヘルムなにやってんのかなーとか思ったりしたものの、キャラ造形的にミステリアス系以外の価値を見出せなかった先輩が、漸く一人立ちし始めたとかそんな感じ。CGはなんか髪短すぎな気がするけど。トリファの「逆臣であればより強く結びつき、忠臣であろうとすれば乖離する」ってのは、先輩に対する愛情の根拠と宿業がダブルで重なってるなあ。あと唐突なモンハンに笑った。




九章冒頭。・・・これ先輩じゃなくてルサルカルートなんじゃないの?しかし香純・・・いやほんとに死んだかどうかはわからないし、下手すれば司狼がヴィルヘルムの腹食い破って出てくるときに一緒に出てくるかも知れないけど、さあ。もし本当に死んでたら、自身のシナリオはイマイチ、さらにそのうえに螢のシナリオを被せられ、グランドルートでは早期退場ってなんのジョーク・・・。


先輩とリザの会話は、早期退場組の一人でもあるリザが、漸く本音で先輩と語り合う価値のあるシーンなものの、学生時代のザミエルに全部持ってかれた気がする。


「どうだ、貴様とは鍛え方が違うのだ」


なんだろう・・・この言い表せない感情は。


あとリザの極上の死体って言葉を最初に聞いたときは初代カインかと思ってたけど、その後を聞くとやっぱラインハルトだよな。確かに肉体をトリファに受け渡して一回死んでるようなもんだから、受け渡す前に死体とヤったと考えればラインハルトに父親の自覚がないのも頷けるけど、いくらなんでも計画の核がまだ生まれるかもわからないのに譲り渡すとは思えないし、何よりそれならイザークがラインハルトと会ったときの問答はなんだっつー・・・。こんがらがり。まあ、この辺も終盤で明かされるんだろうよ。


ヴィルヘルムのおびき出し方については、なんかMMOでMOBを釣り上げるみたいというか、祭りになれば寄ってくる、夕飯になれば帰ってくるみたいで笑える。死はばら撒くもの、血は呑み尽すもの、の下りも「命は投げ捨てるもの」を思い出してツボってしまった。


そして九章ラストで遂に城が現出し、残存団員の反逆が始まる。最高に燃える。素晴らしい。展開が熱いとか未知がどうだとかもあるけど、それより何より、他ルートで願いを果たせず死んでいったり、そもそもの祝福を勘違いしたまま城に送られたり、理解したときは既に手遅れだったりするものらが、一様に元凶に対して反抗を開始する様は、これまでの彼ら彼女らの不遇さがあるからこそ輝くもので、例えるなら「ひぐらし」の悲惨な結末に終わるループを繰り返した果てに辿り着いた祭囃し編の高揚に似ている。こりゃあ確かに、最後の最後にルート解放されるのもわかる気がするわ。しかしその犠牲に・・・け、螢・・・。い、いや、香純と同じで後で・・・あ・・・あとで復活するだけに決まっている・・・かるい退場さ・・・ほら・・・しゃべり出すぞ・・・今にきっと目をあける・・・櫻井さん・・・そうでしょ?・・・起きてくれるんでしょう?お・・・起きてくれ!たのむ・・・櫻井さん!!


・・・果たしてこの行動、ヴィルヘルムの人気を下げたのだろうか、それとも「やっとベイの本領発揮だぜ!」と上がるのだろうか・・・。つーか何気にヴィルヘルム一人でマリィ・先輩以外のメンバー全殺ししてるんだよな。凄ぇ。




十章は遂に、発売前のプロモムービーでも示唆されていた通りに、城内部で大隊長と残存団員のバトルが開始。シュライバーvsトリファ、ザミエルvsリザは因縁があるものの、マキナvsルサルカは単に相性の問題かと思えば、まさかの「蓮の人格の元となった人間」と、黒円卓以前のルサルカが同僚、つーか淡いながらも好意を抱いてたぽく、それを通じてマキナとも因縁が発生するとは・・・。主人公の前世(じゃないけど)とイイ関係だったって、下手をしなくてもヒロイン設定だろそれ・・・。戦場で死んだっつーならやっぱ死んだ後城に招かれて殺しあわされたのかね。だとすっと螢ルートでのアレは勘違いでやっぱ死後の城か。


リザvsザミエルも、他ルートでのザミエル戦で常に言われてきた「女として」の部分を煮詰めたものだし、香純ルートラストの「神父様」「神父様」「泣かないで」に続くオチはこれかよ!不憫すぎる・・・と思えば、リザとルサルカを踏み台にして実現させたトリファの策が、シュライバーを壊す展開に震え、主人公このままじゃ空気になっちまうぞーと心配すれば、暴走したシュライバーに絡まれて玉座の間に意図せず突入、そしてそのままルサルカとリザを倒したザミエル、マキナを加えた大隊長全員との暴走バトル。ザミエル・マキナは当然として、ここにきて遂に、やっと、漸く解禁されたシュライバーの本気モードの凶悪さ。そりゃ螢・マリィルートで未遂に終わるわけだよ。勝てねって。がっかりウルフ扱いしてごめんな。あと残存組で唯一生き残ったヴィルヘルムの、ラスボス後の裏ボスにでもなるつもりかと思わせる不敵さ。


・・・恐ろしいのは、これだけの展開とバトルを凝縮した十章の長さと、これがまだ十章だという事実。展開的には螢ルートの最終章や、マリィルートのラストバトル手前の大隊長戦と同等でありながら、まだ三章も残っているという、好物を次から次へと口に放り込まれて「まだまだあるぞ」と言われているかのような多幸感。買ってよかった。本当に。四百倍だの三千倍だのの数値は荒唐無稽を通り越してギャグの領域だけどな!読めるから止められるとかそういうレベルじゃねーからソレ!


ちなみにこの章での選択肢は、まあ、話の流れ的に先輩を救うほうだろ?と思い、実際選びもしたものの、村正病の所為で一抹の不安が・・・。業の深いゲームよ・・・村正ァ・・・。