■
キャラ雑感。綾瀬香純。
ミニドラマで一番多く喋ってるのがコレなので。というか綾瀬香純verは存在しない。ヒロインなのに。まあマリィもないけど･･･。
通称バカスミ。幼馴染キャラであり、主人公の蓮と部屋が隣同士だったり、朝起こしにきてくれたり、料理が得意だったり、一緒に登校したりと、幼馴染キャラに必要な要素は一通り揃っている。住まい関係は当然として、料理に関しても、全ヒロイン中得意、というかまともに作れるのは香純だけである。マリィはそもそも料理などしたことがなかろうし、先輩も自分で作れるといった描写はない。昼食もサンドイッチだったし。螢は武者修行中の食料はどうしてたんだという疑問が沸くが、聖遺物を使いこなせるようになればそこまで食事は必須要素でもないのだろう。どうしても必要なときはレーションか外食で済ませていた可能性が高い。つまり料理が得意という設定は他のキャラに比べて抜きん出ている部分なハズなのだ。通常の学園恋愛モノであれば。
本格的な開戦となる六章以降はそんなヒマもないし（あってもコンビニでうどん玉を買ってきて焼きうどんを拵えたりしてた）、日常にまだ余裕がある六章以前だと、料理を作って食べさせていた、というよりは、特大パフェをドカ食いした挙句、完食出来ずに支払いを蓮に押し付けた印象のほうが強い。
またキャラ人気がイマイチであり、初期も初期の人気投票とはいえ、ヴィルヘルムの台詞で言及されただけ（当時）の彼の姉、ヘルガと一票差で下位を争うという、ヒロインにあるまじき醜態を晒していた。
しかし悪い子ではない。決してない。ないのだが、中盤以降香純が出てくるとどうしても「アタシにだまって皆なにやってんの？」と問い詰める展開になるのだ。しかもほぼ全ルートで。さすがに香純→螢→マリィ→先輩と進むごとに短い展開で言いくるめられるようにはなるのだが、それでも出てくるたびにこじれはする。加えて蓮の態度が一貫して「誤魔化し続ける」というスタイルの為、性格を考えれば双方仕方のないことと理解は出来ても、毎度毎度の煮え切れない会話にいい加減プレイヤーも「それはもういいから」と呟きたくもなろうものだ。繰り返すが決して悪い子ではなく、むしろ作中で日常の象徴として描かれているように、ディエス・イレの良心といっても過言ではないのだが、やはりバトルものにおいて非戦闘系ヒロイン、しかも自分から敵に捕まりにいくようなのが人気がでないのは宿命なのか･･･。そのうえルートによっては邪魔だと言わんばかりに最終盤まで眠り続けたり、司狼のトバっちりで死んでそのままだったり･･･。マリィもまあ、香純・螢ルートでは似たようなものなのだが、玲愛・螢の二人に比べるとあまりに見せ場というか扱いが･･･。せめて本人のルートでは独壇場でいたかろうに、最後の十三章で先輩と螢に存在感で上回られてるのはどうしたものか･･･。
誰とでもすぐ仲良くなり、話していると自然に笑みが浮かんでくる天真爛漫さは、蚊帳の外にいるから可能というわけでもなく、むしろ暗い過去と重い運命を背負っていたりもする。しかしそれを知ってもヒトとしてブレない芯の強さ。人間としての強さ。マリィと先輩はまだしも、螢あたりは一度くっ付いたらもう蓮なしでは生きていけないタイプだろう。浮気などしようものなら何処ぞの整備士よろしく刺しそうである。しかし香純は違う。誰よりも早く蓮と関わり、誰よりも早く好意を抱いていたにも関わらず、自分が選ばれずとも、蓮の幸せを優先し祝福する。顔で笑って心で泣いてとも言うか、兎に角そういう強さを持っているのだ。事実螢ルートでは、螢と蓮がくっ付いた裏で、メルクリウスとの交換条件として何処の馬の骨とも知れぬ男と結婚してしまった。
ヒロインが処女でなかったり、元カレがいたとかそんな程度のことで作品自体が炎上してしまう世の中である。当然、ルートが違うとはいえ、ヒロインとしてはあまりにあまりな扱いに、ファンは怒り狂った･･･ということも特になかった。いやまあ、「不憫すぎる」「いくらなんでも･･･」という反応があるにはあったのだが、別段それによって祭りになったり炎上したりすることもなかった。つまりキャラ人気的にその程度、ということなのだろう。これこそが一番あまりな扱いなのかも知れない。
ＥＤだけ抜き取ってみれば、全ヒロイン、いや味方側の全主要キャラの中で唯一どのルートでも生き残る（先輩ルートは生き残ったといっていいのか微妙だが）のは香純だけなのに･･･生き残ればいいというわけでもないのか。なにせ前述の契約結婚に留まらず、実の両親は物心付く前に殺害され、聖遺物の殺し役として意識せずに複数人を手にかけさせられ、生まれる子供は死亡確定のゾーネンキント･･･。作中屈指の不幸キャラといっても過言ではない。
どうでもいいけど第三章で蓮にネックレスをプレゼントしつつ、五章の特大パフェ云々の件では「今月無駄な出費が多くてきついのよー」などとのたまっている。無駄ってオイ。
好きなシーン・五章の奇声開拓
