機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン4 [DVD]

機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン4 [DVD]


リボンズキャノンはMAじゃなくてMSでした。そのうえリバーシブルで表裏を入れ替えることで砲撃用のキャノンと近接戦用のガンダムに切り替えが・・・いや切り替わるのはいいけどタイミングが早すぎる。冒頭で「リボンズキャノン、行く!」と見得を切ってから、OPを抜かすと2分くらいでガンダムになっちゃった。これ、リボンズは「ツインドライヴシステムが君だけの〜」とか言って格好つけてるけど、客観的に見ると見得を切ったラスボスが2分で本気を出さざるを得ないところまで追い込まれたってことだよな・・・。


戦闘に関しては刹那とリボンズの前半・後半戦もそれぞれ良かったのは勿論、それ以上に脇同士の決着戦の方がお気に入り。中盤で生存を明かしつつも出番まるでナシオだったハレルヤによる、それまでの鬱屈を晴らすかのような怒涛な攻めと(イノベイターの中で最も好戦的なヒリングをそれ以上に好戦的(というかイカれた)ハレルヤが圧倒する構図も良かった)、逆に中破した機体で圧倒されながらも1秒トランザムで逆転するロックオン側とで、静と動というか正反対の決め手による演出が光ってた。


キャラクターのそれぞれの結末に関しては・・・まぁ、刹那とマリナはアレでいいんじゃないすかネ。別に主人公とヒロインだからって何でもかんでも無理にくっ付ける必要はないですよ。似た立場にヒイロとリリーナという二人がいますが、この二人にしたって将来くっ付くかって言われたら多分くっ付かないし・・・。まあマリナとリリーナじゃ作中での存在感というか果たした役割がダンチですけど・・・。理想はクロスボーンのトビアみたく後年身分を偽って側近にってとこだろうけど、歳の差からかOOはボーイミーツガールの要素は微塵も含んでないし、アリっちゃアリじゃないかな・・・と。そこらへんの担当はサジ・ルイス組とアレルヤ・マリー組に任せる。




・総評
2期は純粋に作画・演出面がロボットアニメとして面白かった。1期の地味さを間に挟まれたギアスから学習したかのように挽回した次回への引き、いい意味でドラゴンボール化したトランザム同士のバトル。惜しむらくは2期からの敵役であるイノベイターの連中が少しガッカリな点。1期で同じ役割だった各国のエースに比べてイマイチキャラが薄く(設定上の都合とは言え顔が同じやつばかりなのも拍車をかけてる)、ただ強い戦闘員その1〜6から抜けきれてなかった。初登場の頃はその強さだけでキャラが立ってたものの、ダブルオーが登場してからはそれすら・・・。まあ強さに関しては最終回のアレルヤ&ロックオン組のバトルや、中盤地上に不時着した際の刹那抜かしたマイスター3人vsイノベイター3人なんかはいい感じにせめぎあってたから、全てはダブルオーがちょっと強すぎた点が問題なのかも知れない。ついでに1期から引き続き登場したグラハムやサーシェスも見せ場が半端で、何のために出したのやら。キャラ的に薄いイノベイターの連中は(戦闘の)出番が多く、1期からの下積みで既にキャラが立ってるこの二人の出番が少ないという変な相殺現象が。


ストーリーに関しても解りやすくなった代わりに、ソレスタルビーイングの目的だった必要悪による人類社会の統合という目的が1期で達成されてしまった分、ソレスタルビーイングの存在そのものが必要悪からただの必殺仕事人にチェンジされて、話そのものも勧善懲悪モノに近くなって元々のOOの色から離れてしまったのがどうにも・・・。作品のテーマを前面に押し出した1期より、後始末を描いた2期のほうが面白いのは皮肉というか、結局ロボットアニメにそんな複雑なテーマはいらんということなのか・・・。2期が面白かったのは1期の下積み部分も勿論あるから、2期のほうが1期より面白いとは一概には言えない気も・・・しないか。1期も各国エース同士を絡めた3つ巴戦とか期待してたのになかったしなそういうの。


とは言えやはりロボットアニメで最も重要なのはロボット同士がぐりぐり動くバトルシーンだと思うので、その点を満たしていたOOはまぎれもなく良作ってことでいいんじゃないでしょうか。劇場版はどうでもいいです。