シュタゲクリア記念。本棚の漫画から無理やりタイムトラベルネタを見つけてみようぜタイムトラベル・リープ等を主題にした作品を振り返ってみよう−漫画編その1




ドラゴンボール


ドラゴンボール 完全版 (1)   ジャンプコミックス

ドラゴンボール 完全版 (1) ジャンプコミックス


ご存知ドラゴンボール(以下DB)。DBでタイムトラベラーといえば、これも言わずとしれたトランクス。荒廃した未来世界から、悟空の心臓病による死を食い止める為に、そして人造人間を倒す手がかりを得る為に・・・というのがトランクスの目的だった。しかし過去で人造人間を倒したところで未来のトランクス世界における人造人間がその場で消滅するわけではない、とトランクス本人によって明言されている。つまりDB世界はシュタインズ・ゲートでも言及されていた多世界解釈によって形作られているのだ。・・・その割には初登場時に「二人(ブルマとベジータ)が気まずくなってしまうとオレの存在そのものが消えてしまう可能性が・・・」等と、多世界解釈においては問題ではないはずの「親殺しのパラドックスについて心配しているようなシーンもあるが・・・。まあその後のパラレルワールド講釈も急だったし、多分途中から設定変更っつーか後付を(ry


この多世界解釈、即ちパラレルワールドを適用させることによって、劇場版の謎も解決できる。同年代の方には説明するまでもなかろうなのだが、ドラゴンボールの劇場版は、どれもこれも時系列的に、パラレルワールドでなきゃ無理がある舞台設定のものばかりなのだ。多分原作・アニメと照らし合わせても無理がないのは「銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴」(ボージャック)と「龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる」(ヒルデガーン)くらいだろう。元々「独立した時間軸」という、制作側からパラレルワールドを公認するかのような発言も出ていて、大人しく全部それで通せばいいものを、「激突!!100億パワーの戦士たち」(メタルクウラ)「燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」(13・14・15号)あたりはセルゲーム開幕までの1週間に空白があるのをいいことにそこに組み込まれていたりする。無茶やがな。


また「自分がいた世界の歴史とはかなりズレてしまった」というトランクスの発言から、どの行動が原因で、シュタゲ的に言うなら世界線が変動してしまったのかを考察してみると、やはりフリーザ親子を殺した瞬間だろうか。本来の歴史(恐らく未来トランクスの世界でも)では、悟空が瞬間移動であの場に現れるはずだった。多分フリーザをバラしたあたりで例の効果音と共にダイバージェンスメーターが変動したに違いない。おかげで心臓病になるタイミングや、人造人間の内訳や強さも変化してしまった。・・・と、バタフライ効果を自分の所為と思い込んで落ち込むトランクスなわけだが、真の原因はトランクスが最初に飛んだエイジ764年よりさらに1年前に、違う未来世界のトランクスを殺してタイムマシンを奪いやってきたセルの存在だった。つまりトランクスがどうこうする以前に、微妙に歴史は食い違っていた・・・と、この辺の仕掛けは見事といえる。


さらにシュタゲ的な解釈を推し進めるなら、薬を渡そうと警告をしようと、悟空は心臓病にかかり人造人間(17号と18号)と戦えないという結果に世界線が収束する、という考え方も出来る。・・・いやまぁ、何故か死亡は回避してるけど。悟空が死ぬことよりも、「心臓病で人造人間と戦えない」という事象のほうが収束に含まれていた、と考えよう。無理やり。アトラクタフィールド理論と多世界解釈は別物なので、あくまでシュタゲ的な目線で、ということで。


シュタゲを「鈴羽が成功するまでの物語であるとも言える」と書いたが、DBのセル編も、トランクスに始まりトランクスで終わった、未来が救われるまでの物語なのかも知れない・・・。と綺麗にまとめようとしたものの、トランクスって、初登場のフリーザ一味相手に無双してた時がピークで、後はいいとこがあんまり・・・というか全然・・・。対17号・18号ではベジータの助けに入って瞬殺精神と時の部屋後は「父さんを超えてしまった」(キリッ)とか言いながらパワー頼りの変身をしてセルにバカ呼ばわりされ、セルゲームでは復活したセルに殺されて・・・と、ピッコロやベジータだってもう少し一線に張り続けたぞと言いたくなる不様さよ。


そんなピーク時ことトランクスの登場シーンに関しては断然アニメ版で、専用曲「バトルポイント・アンリミテッド」(流れたの多分ここだけ)と共にスーパーサイヤ人に変身して、それまでの・・・漫画だと数十ページ前までラスボスとして君臨していたフリーザを一刀両断する様は、素晴らしく格好良いのだが、同時にバトル漫画におけるインフレの無情さを感じずにはいられない。




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余談。読み返してみるとトランクスが初登場した時の等身が軽くヤバイ(28巻の79P)。







↑大体こんな感じ。いくら何でも胴短すぎ&足長すぎだろう。