Dies irae ~Acta est Fabula~ ドラマCD『Dies irae~Verfaulen segen~』

Dies irae ~Acta est Fabula~ ドラマCD『Dies irae~Verfaulen segen~』


聞き終えた。とりあえずなっげぇ!




戒とベアトリスのラストはねえ・・・。なんか、お互い頭悪いね。良くも悪くも。頑固さとも妄執とも取れる信念、自我が黒円卓各々の強さの一つで(そしてその自己中さが創造の条件)、だからこそお互い譲れないってのは理屈ではわかるんだけど、だからって相討ちってのはそれ、本末転倒なのでは・・・。ぶっちゃけベアトリスと戒の顛末は本編で垣間見せられたそれのまんまだったんで、メインはこの二人かも知れないけど見所としてはやっぱりドッペルアドラーの面々かしらね。戒で一番良かったのは、霧咲さん相手に創造(?)発動して凄む場面。ベアトリスとのやり取りよりもvs霧咲さんのほうが、身も心も公式イケメン主人公の面目躍如でした。正直霧咲さんは発売前にいち早く紹介されてたくせに、キャラ的にドッペルアドラーで一番掘り下げられてないような気がしなくもないですけど。


で、肝心のドッペルアドラーの面々。前日談ということで敗北は確定してるうえに、それぞれ自身の能力・特徴の上位互換者に挑むという点で、大好きなかませ犬の臭いが鼻腔を貫いて脳天直撃状態だっただけに、まさかこんな扱いとは・・・。いや、殺されはしたものの全員に共通する基本方針通り、相手の業を指摘して舌戦では少なくとも負けなかった・・・早い話が痛いところを突くだけ突いて満足して死んでいくという点は評価できるものの、アレっすよ、俺が見たかったのは防御力ゼロになった団員をそれぞれある程度追い詰めていい気になってるところを「それで終わりか?」と反撃されて「こ、こんなバカな」って死んでいく、そういうテンプレ展開だったんで・・・。これはこれで悪くはないけど、望んでたものとちょっとチゲー、みたいな。まあジェーンは元々あんなキャラなんで仕方ないし、フォルカーはある程度希望に沿った死に様と言えなくもないものの、もう少し両者ともダメージ与えて欲しかった。君等の見せ場、名乗りをあげるシーンで終了じゃないですか。特にフォルカー、我流ながら魔道に通ずるって設定は何の意味があったのやら・・・。勃起してアンナアンナ叫んでただけだよこの人。結局のところ、満足して死ぬんでもヒィヒィ言いながら死ぬんでもどちらでもいいけど、いくらなんでも瞬殺が過ぎるのではないか・・・と。過程がキンクリだよ。


物理的な意味では一番健闘したアルフレードさんも、ベアトリスとの過去をもうちょっと掘り下げて欲しかった。キャラ紹介の説明文と台詞サンプルが全てだしこの人。最後にドッペルアドラーのボスのジークリンデさん。この人は基本トリファ神父と同じ属性持ちなんで、上位互換の神父に精神面をズタズタにされて発狂死ってのを期待してたんだけど、他の組み合わせに比べて一番痛いところを突いて高笑いしたまま死亡という、格を落とさずに実質勝利したようなもんなので、まあアリっちゃアリか。でも捨て台詞の


「獣と蛇がギロチンに首を落とされる未来が見えるわ!」


ってやつ。そんな未来(ルート)ねえよ。片方ずつなら兎も角・・・。螢ED後の蓮はギロチンじゃないし。


じゃぁあんまり面白くないんですか?と問われれば、そんなこともないです。ほら、シュピーネさん超カッコイイし。いくらなんでも持ち上げられすぎ&見せ場与えられすぎ。ゲーム本編の四章で醜態晒した人とは思えん。「そこはそれッ!(↑)慣れとでも言いましょうかァ〜?(↓)貴女ならすぐにコツを覚えますッヨッ!(↑)ヒョオ!!」。ヒョオ!!


しかし痛みのない死=危機感を感じない=ギロチン(マリィ)の効能、だとすると、一番素で危機に敏感なハズのシュピーネさんがギロチンの犠牲者第一号ってのも皮肉な話。


あとヴィルヘルム。雑魚相手に無双できても本命相手には袖にされるってのがさすがとしか。戒に「邪魔だ、どけ」ってどかされる場面はもう涙(と笑い)なしには・・・。性格からして相性悪いって言ってもよく素直に引っ込んだよなー。そもそも相性悪いって言ってもそれはあくまで直接攻撃に限った話で、離れて杭飛ばしまくれば全然イケた気もするし、そもそも雑魚無双してるときに「パンチやキックは体が耐えられなくなるからやめときなさいよ」ってルサルカに言われ



ルサルカはフォルカーが名乗り挙げた直後の「なんであんな(に)ハァハァしてんの?」って台詞が「なんでアンナハァハァしてんの?」って意味に聞こえて笑えた。






Dies irae ~Acta est Fabula~ オリジナルサウンドトラック 『Neuen Welt Symphonie』

Dies irae ~Acta est Fabula~ オリジナルサウンドトラック 『Neuen Welt Symphonie』


続いてサントラのオマケ(メイン)。玲愛ルート後日談【Neuen Welt Symphonie】。こっちはドラマCD【Verfaulen segen】とは逆に、期待以上でした。「玲愛」ルート後日談のくせに、先輩本人の出番が超少ないのは、まあ先輩ルート=黒円卓ルートということで・・・。実際ラストの先輩の独白や蓮との再会よりも、モルゲンメンバーの飲み会と、その後のルサルカの語りが一番面白・・・というか、泣けた。ゲーム本編で燃える部分は多々あれど、泣けるシーンは個人的に皆無だったのに、後日談で不意打ち食らった気分。各々のメンバーの記憶がリフレインする演出はベタだけど良い。リーディングシュタイナーは皆が持っている・・・。


そしてルサルカ。いやアンナ。やっぱもうコイツがメインヒロインでいいだろ。反対するやつぁギロチンでバッサリだよ。とても直前のVerfaulen segenで


「えー、キモーい(笑)。十回二十回突っ込ませてあげたくらいで勘違いする男ってサイテー(笑)」


とか


「あーあ、まったく、童貞からかうと碌なことになんないわねー・・・。今度からは気をつけよっと・・・」


とか言ってた人と同一存在には思えん・・・。これもギャップ・・・?いや、腹黒魔女verも好きっつーか、腹黒ビッチでありながら実は・・・という部分がキモなんだけどさ。語りの「私一人だけ何故か人生一回多い気がする」のあたりでまたわけもなく泣けてくるから困る。何の涙だっ・・・これはっ・・・!


もっと言うなら、シュライバーやヴィルヘルムの顛末からして、マリィによる修正はあくまで「ラインハルトに会った所為で狂わされた人生を元に戻す」だけであって、それ以前の生い立ちや境遇には修正かからないはずなんで、ルサルカがあの場にいることそのものが結構特別扱いなんじゃなかろうか。マリィの世界ルールは輪廻転生なんで、魔女裁判で死んだあとに転生か。ロートス→蓮も同じで。そう考えるとマリィ働きものっすなぁ。シュライバーの生い立ちがそのままなのも決して面倒臭かったからではないのだ。多分。


そのシュライバーとヴィルヘルムと言えば、本来乱入鎮圧屈服させるハズだったあの場に介入せずに温かい目で見守った・・・とのことだけど、その割りに双方とも無事で投獄されたってのは意外。邪魔が入らなければどっちか死んで決着か相討ちとばかり思ってただけに、動かなくなるまでやりあった後に大の字で寝転んで「へっ・・・やるじゃねえかパチモンヤロー・・・」「お兄さんこそ・・・」みたいな展開があったのか・・・?決着付く寸前にラインハルトが捕縛したとかいう話だと泣くぜ?主にベイ中尉が。


他の黒円卓メンバーもそれぞれの生を全うし、ベアトリスは婆ちゃんになって戒と再会、アンナも来日して蓮と出会う可能性が大、と。何で本編のエピローグでやらなかったんだよホントと思えるほどの綺麗な終わり方でした。・・・ただ一人。顛末に一切触れられてない人がいるような気がするんスけど。ほら、ドッペルアドラー相手に無双して株を大幅に上げたあの人だよ。その辺どうなんスかねマリィさん?忘れてた?アーソウ。




最後に。螢とベアの中の人が引っ張りだこ過ぎ。一つの作品で2キャラ併せて幼女からババアまでオールレンジカバーするとか初めて見たぜ・・・いや、聞いたぜ・・・?