第4巻


うつろわざるもの~ブレスオブファイア4(4) (BLADE COMICS)

うつろわざるもの~ブレスオブファイア4(4) (BLADE COMICS)


ユンナユンナによるユンナの為の第4巻。ユンナファンは大歓喜することだろう。いれば。


・キャラ解説「ユンナ


ブレスオブファイア?に登場する敵役。主人公らが暮らす連合と対立する帝国の呪術官(この世界の科学者のようなもの)であり、呪砲(人間を生贄にし、その怨念を呪いの弾に変えて発射する兵器)の開発者。文頭に「や、」と付ける癖があり、常に丁寧語で喋る。その様は慇懃無礼という言葉がぴったり。


所謂【自身の目的(研究)の為なら何を犠牲にしようが構わない】タイプのマッドサイエンティストキャラであり、自身の行いで数々の人間を犠牲にしても気にも留めない。その犠牲の代表格が村娘マミと、連合側の王女エリーナである。


村娘マミはもう一人の主人公、フォウルが傷付いて倒れているところを、村に運び込み介抱したことを切っ掛けに関係が深まっていく。そのままでいれば「復活したけど、さて人間(帝国)どうすっかなー」というフォウルに「人間もまぁ、捨てたもんじゃない」と考えさせる、事実考えさせたような節があったのだが、フォウルを追う帝国の部隊が村に辿り着き、フォウルはマミの助けで裏手から脱出。その後マミは捕らえられ、対象との関係が深ければ深いほど良いという呪砲の性質から生贄とされる。ちなみにニエとなる際の過程は、拷問を加え、自分がこんな目にあっているのは呪砲のターゲットとなっている人間の所為である、と怨念を抱かせる・・・といったもの。大抵は死の寸前まで痛みつけられ・・・というかまあ、死ぬ。ゲームではその詳細が描かれなかったが、漫画では熱した槍のようなものと棍棒で痛めつけられ、最後は頭上から柱のようなものが降りてきて押し潰される(同時に発射)というもの。




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エリーナはパーティメンバーの一人、クレイ(主人公より主人公らしいとか言われる)の想い人であり、シリーズお馴染みのヒロイン、ニーナの姉。ゲーム当初の目的は、帝国にいったまま帰ってこないエリーナを見つけて取り戻す、といったもので、終盤漸く発見した時には、既にユンナの手によってニエとなっていた。ただマミのようにニエとされ死んだ、というわけではなく、魔物の身体と繋ぎ合わされ、下半身が施設の1区画を埋め尽くすほどの巨大な内臓と化し、いくらでも再生するためいくら痛めつけても死なない理想のニエとして改造されていた。この内臓部分はダンジョンとして扱われ、道を塞ぐ神経や筋組織を剣で切り裂きながら進んでいったりする。グロい。最後はクレイに「自分を殺してほしい」と頼み、再生を無効化する神鉄の剣によって貫かれ、その生涯を終えた。




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ブレスシリーズ屈指の欝イベント(元々ブレスシリーズは牧歌的な世界観の節々に妙な黒さをねじ込む癖がある)であり、これだけのことをしでかしながらも、ユンナ自体は死なず、最後まで生き残る。戦えもしなければ自身を改造して笑いながら滅んでいったりもしない。EDでもちゃっかり登場。この扱いによりプレイヤーは「何でユンナ殺せねえんだ」という怒りを各所で爆発させた、とかなんとか。


当時は確かに「あれ、こいつ生きてんの?」って感じだったが、今振り返ってみれば、一貫して「神を造る」「神を越える」といった理念に従っており、上位者として君臨する神の存在を許すことができない求道者的な側面も垣間見えて、常に丁寧語を崩さないそのスタイルと口癖もあわさり、結構いいキャラしてるような・・・。


漫画ではゲームでこいつが殺れないのはどうか、と作者も思ったのか、殺さないまでもエリーナの件で激昂したクレイにパンチを見舞われて吹っ飛んだりしている。直後ゲームと同じく「や、いけませんね。神を作れるこの私を殺そうなどと・・・!」呟きテレポート。ややややや・・・。




まあそれはそれとして、この4巻、アースラ隊長が非常に可愛くて良いです。「わ、私・・・は・・・もしかしたら、私にも一因が・・・」と震える様は嗜虐をそそられてたまンねェなァ!そして直後のコマのクレイのツラがまた。陵辱ゲーの主人公みたいな目をしていらっしゃる・・・。